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羨望のプラザ・ホテル、昔と今 | ||||
ニューヨークのプラザ・ホテルと言えば、誰もが憧れるホテル。部屋からの眺めは、マンハッタンのセントラルパークを見下ろす。一歩外にでれば、高級ブティックが軒を連ねるFifth Avenue(フィフス・アベニュー)に出る。数々の映画が撮影されたホテルのロビーは、眩いばかり。ところが、そのプラザ・ホテルは転機を迎えている。 このホテルに、「一度でいいから泊まってみたい」と思った人は多いはずだ。但し、敷居はそう低くはない。普通に予約すれば、一番安い部屋でも1泊450ドルはするし、チェックインにも、それなりの身だしなみが求められる。ベルボーイに渡すチップの額も、それなりに覚悟しなければならない。プラザ・ホテルがどのようなホテルであるかは、そこで10年を超えて勤務した、奥谷氏のインタビューを参照するとよく分かる。 ただし、プラザ・ホテルへの宿泊が、従来通り実現できるかどうかは不透明だ。プラザ・ホテルの新しいオーナーは、多くをコンドミニアムとして売却しているため、ホテルとしての客室数は激減する。そのため、宿泊料金はそれなりに値上がると言われている。購入するのは勿論、普通に宿泊するにしても、敷居が高くなりそうだ。 上記の写真は、プラザ・ホテルが売却される直前、2005年の1月に撮影したホテルの外観である。プラザ・ホテルは同年の5月に売却され、そして改装工事に入った。「米国随一のグランド・ホテル」と呼ばれたこの輝きが、もう一度見れるかどうか分からない。 そして、下の写真は、コンドミニアム(日本で言うとマンションのようなイメージ)のオーナーを募集している様子。2007年5月時点の撮影である。バナーには以下のように書かれている The once in a lifetime opportunity to own a Suite at 「世界で有名なあのプラザ・ホテルのスウィート・ルームが 2007年はプラザ・ホテルが開業して100周年にあたる。100周年の記念をこのような姿で迎えるとは、数年前には誰も想像しなかっただろう。ちなみに、2005年時点で、コンドミニアムの売り出し価格は、一番安い部屋で5百万ドル、一番高い部屋で4千万ドルであったという。仮に1ドル115円として換算すると、5億7500万円から、46億円ということになる。 奥谷氏によると、結果的には、売却の最高値は5千200万ドルであったという。また、全体の3分の2がコンドミニアムとして売却されたが、当初の計画から修正があり、投資家が買ってもビジターに部屋を貸すことはできない構造になった。当初は客室を350部屋残す計画だったが、結局、150室の客室と70室程度のコンドミニアムとなった。同氏はプラザだけでなく、ホテル業界から離れた。 プラザ・ホテルは様々な人を惹きつけてきた。現在所有しているイスラエル系の不動産会社の前には、不動産王ドナルド・トランプも一時所有していた。彼が1980年代後半に購入した際の価格は、約4億ドルであったという。 ルネッサンス様式の美しいこの建物は、ニューヨーク市だけでなく、国からも National Historic Landmark(歴史的ランドマーク)の指定を受けている。 (2007年4月30日掲載)
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